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派遣法改正について思うこと。

私事ですが、しばらくの間、労働法関連のブログを記していませんでした。労働法と言う観点から学者でも研究者でもない素人が論じる気持ちにもならなかったからです。その背景は、もちろんここ数か月間のブログにぶつけているとおり、政治に対する憤懣であります。「世の中、いかにあるべきか」という視点は葬り去られ、政権の意のままに独断と自己満足で政治を操る、こういった世の中で労働法を論じる気分にならなかったわけです。

この憤懣が収まったわけではありませんが、ここらで気分を変えて、久しぶりに労働者派遣法改正についておもうところを記してみたいと思います。

みなさんご承知のとおり今般の派遣法の改正のキモは、専門26業務かどうかの区分を撤廃して、すべての業務について、派遣業務に従事する人(派遣社員)さえ3年を上限に入れ替えすれば、その派遣対象業務は継続されるというものです。

改正前は26業務以外については派遣対象の「業務」の上限を3年としていたわけですが、今回の改正では26業務かどうかの区分が撤廃されすべての派遣業務について、派遣対象の個々の「人」の上限を3年とする考え方に変わったのだと私は理解しています。

あと、すべての派遣業務を認可制にするとか、派遣会社による派遣社員のキャリア形成努力などが盛り込まれていますが、核心は上記の「上限3年」の対象が業務から人に替わったことだと思います。

この改正に対して、民主党や連合などは「派遣社員がますます増えるのが目に見えている」として反対を唱えていました。この見方が正しいのか間違っているのかは現時点では分かりませんが、私は少し別の視点から派遣労働あるいは非正規労働者問題をとらえたいと思います。

まず最初に雇用形態別労働者の大きなイメージを記します。
厚生労働省の平成26年統計によると、全労働者数は5,240万人、この内正規労働者は3,278万人で、非正規労働者は1,962万人です。全体に占める非正規労働者の比率は37.4%と年々上昇しています。
そして非正規労働者の内訳を見ると、パートタイマー943万人(非正規労働者に占める割合は48.1%)、アルバイト404万人(20.6%)、派遣社員119万人(6.1%)、契約社員292万人(14.9%)、嘱託119万人(6.1%)、その他86万人(4.4%)であります。

各雇用形態に従事している労働者の中味を独断で荒っぽく私見しますと、パートさんは家庭主婦を中心とした家計補助的婦人労働力(ただし、昔流に補助的だからと言って賃金が低く抑えられている問題はここでは論じません)、アルバイトは大学生や高校生を中心とした人たち、派遣社員及び契約社員は本来正社員で働きたいにも拘わらずその希望が叶ってない労働者、嘱託は定年後再雇用の人々、その他は請負会社などの労働者(正社員の中にも請負会社の労働者が含まれている)、とざっとこんなイメージを持っています。繰り返しますがこのイメージは私の独断と偏見でざっくりしたものににすぎません。

そこで派遣社員と契約社員を合わせると411万人で、これは労働者全体の7.8%、非正規労働者の20.9%になります。また厚労省によると「不本意非正規労働者」は331万人という数字が出ています。331万人は労働者全体の6.3%、非正規労働者の16.9%に相当します。

なぜ長々と上記の数字を並べたのかと言いますと、労働者派遣問題は行政では労働局の需給調整事業部の管掌となっているのです。すなわち事業所の繁閑を調整する「需給調整」の対象雇用形態なのです。

もとより企業は人を雇う必要があるから労働者を雇用するのであって、仕事もないのに人を雇う福祉事業ではありません。仕事そのものが消滅したり、仕事量が大きく減少したときには雇用量を調整するのが当然だと思います。業務の繁閑(需給バランス)に応じて雇用量を調整するわけです。その典型的な雇用形態として派遣労働を認めているのだと思います。需給調整の対象なのです。
ですから、正社員などの整理解雇の4要件において、「非正規社員の解雇などを先に手をうっているか・・・」という判断が示されていることと符合が合います。

わが国には労働契約法16条において「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当である認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」としています。非常に格調高い条文だと私は考えています。

最近でも関西の大手電機メーカーが大量の希望退職を募集したりしていますが、この種の人員整理はかなり社会的にも定着してきている感がありますが、何かと手続きや一時的なコストは結構大変です。

そういう意味で、企業が従業員の一定割合の「需給調整」対象労働者を雇用することはやむを得ないというか、積極的に正面から認められるべきだと考えています。
そこで例えば、各企業が雇用できる「派遣労働者プラス契約社員」の比率を雇用労働者の「6〜8%あたり」に規制するなどの考え方はいかがなものかなと最近考えています。「6〜8」という数字は現状の実態を踏まえての数値であって、これが正しいなどと言うつもりは毛頭ありまません。もっと高くすべきなのかもっと低く抑えるべきなのか、労使が論議すべき問題であります。障害者雇用の比率は最低目標として設定されていますが、これとは逆に上限水準として規制するわけです。

私が言いたいことは、企業における労働者需給調整を正面から認めつつ、需給調整対象労働者の割合を規制するということであります。
増えるんじゃないか、いやそうではない、あるいは、臨時的・一時的業務かどうかの論議をするよりも現実的ではないのかなと考えている次第です。一つの切り口として受け止めていただければ幸いです。
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プロフィール

畠山 奉勝

Author:畠山 奉勝
1944年生まれ。電機メーカー定年後、大阪労働局監督課で指導員を担当。全国に先駆けて大学生・高校生などを対象にした若者労働法教育のレールを敷く。

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