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「解雇の金銭解決制度」、ガタガタ抵抗するだけではだめ、乗り越えよう。

「解雇の金銭解決制度」について事務局案が提示され労使及び学者の三者間で議論が紛糾しているようです。
この国は何か新しいことをやろうとすると、何やかんやとややこしい議論をするなら現状維持で何が悪いのかと抵抗する勢力が必ず出てきます。ややこしい議論を尽くして一段上の状態を作ろうとせずに抵抗するわけです。

労働者が解雇されそれを不当な解雇ではないかと思ったとき、労働局によるあっせん、続いて労働審判、そして民事裁判という手段で解決を図る方法があります。労働局のあっせんは強制力はないので、労働審判へ持ち上げた方が和解金の金額は高いというのが相場(濱口桂一郎著「労働審判制度の利用者調査」より)です。しかし、労働審判とはいえ日本人には「裁判」というと敷居が高く敬遠する人が多いことは事実です。

だから一定の基準を設けて労働者を保護しようというのがこの制度の核心的な目標です。カネで労働者をどんどん解雇しやすくしようという制度ではそもそもありません。どんなに練られた制度になろうとも、しょせん「解雇」となると労使双方がいがみ合う状態になることは避けられないことです。労使が笑顔で解雇に納得なんてことはないでしょう。

何もわるいことをしていないまじめな労働者をただ感情的な視点から解雇しようとするケシカラン使用者がいることは事実ですが、半面、こんな労働者を抱え込んでしまって使用者も気の毒になあと思うケースが少なくないことも事実です。労働局の窓口へメチャクチャな文句や暴力的な文句を言ってくる労働者の姿は日常のことでした。ざっくり言えば、労働者を気の毒に思うのと使用者を気の毒に思うのは半々くらいの感覚でした。

大企業が労働者を解雇する場合、その多くは労働組合もあることだしそれなりの線に落ち着くのですが、中小企業においては、解雇された労働者を誰も守ってくれないのが現実です。どんな解雇にせよ、労働者が自分を「不当な解雇」と不満に思っていけば、その会社へ戻りたいとは普通は考えないでしょう。戻ったところで種々の嫌がらせを受けて居心地が悪いのは目に見えてるわけです。だから、せめてきちんとした基準の解決金を受けとることができるようにしようというのがこの制度ではありませんか。

政労使で意見が対立したからと言ってあきらめるのではなく、乗り越えて一段高い状態(とくに労働者が今よりも救われる状態)を作り出す「大人の議論」をしてほしいものです。

竹中平蔵氏が近著『第4次産業革命 日本経済をこう変える』の中で提言されているように、今や日本は現状維持で甘んじているときではないのですよ。欧米に周回遅れの状態なのですから、尻に火がついているのです。 
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プロフィール

畠山 奉勝

Author:畠山 奉勝
1944年生まれ。電機メーカー定年後、大阪労働局監督課で指導員を担当。全国に先駆けて大学生・高校生などを対象にした若者労働法教育のレールを敷く。

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