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道に迷ったら元へ戻ろう。

今朝、朝食をとりながら広げた朝日新聞の社説『解雇規制緩和・・「いいとこどり」は困る』。最近のメディアにしてはめずらしく「正調」である。コンパクトにしてズバリ的を得た論理性。まるで濱口桂一郎先生が書いたのか(笑)と思わせる筋書き。ひと段落してhamachanブログを開くと、先生も「俺が書いたかのよう(笑)」と称賛されていて本当に笑ってしまった。

産業競争力会議が提案する解雇規制緩和論が、さまざまなメディアで取り上げられて、太い流れになっていくことは大変いいことだなあと思っている。今朝の朝日のように、問題の本質を正しく捉えて、多くの国民を巻き込んでいくことを期待したい。以前あったように、「ホワイトカラー・エグゼンプション」を「残業代ゼロ法案」と喧伝して叩き潰したようなことは絶対にしてほしくない。

それにしても、産業競争力会議の顔ぶれをみていると、どう転んでも労働者の利益が擁護されるとは思われない。政府の大臣は所詮、選挙で選ばれた国会議員だろう。選挙民の大多数は一般市民、労働者ではないか。自民党議員を選んだのは企業経営者ばかりではないだろう。中心的位置を占める民間議員は経営者ばかり。それも世間では先進的と見られているドライな経営感覚の人ばかりだ。少なくとも、「人材力強化・雇用制度改革」分科会には、労働者代表や労働法学者を参画させるべきである。連合などは屁のツッパリにもならない存在とはいえ、ここまで無視されても抵抗する元気もないのか。

本来この種の会議は、政・労・使で論議すべき問題であり、場合によってはオブザーバーで司法代表も加わってもいいのではと思っている。

解雇規制(緩和)、正社員の長時間労働、正社員vs.非正規労働者の格差など、いま顕在化している問題をどのような手順で解決していくのが効果的か。あえて言えば、その頂点にあるテーマは『日本的雇用慣行の破壊と新しい雇用の枠組の再構築』であると思う。

例えば、労働契約締結に際して、労働条件を明示することが義務付けられて(労基法15条)いるが、「就業場所と従事すべき業務」もその一つである。世界共通の契約事項である。ところが日本では、仕事を「職」と捉えずに「社の一員になること」とする日本独自の慣行を社会全体が受け入れ続けてきたが、もう十数年前からその慣行に労使双方からみて不都合が生じているのだから、ここは労基法の原点に戻ろうではないかということだ。

就業場所と従事する業務を特定して契約を交わすのが、法律に沿った本来の雇用契約であって、企業の基幹人材たるgeneralistとして、場所や仕事を特定されずに継続勤務を期待されるのは、ごく一部のエリート特別待遇社員なのである。その能力において通常の労働者より格段上のものがあるから特別待遇を受けるものである。

普通の労働者は一所懸命に知識を蓄え、スキルを磨いてスペシャリストをめざすべきなのである。惨めな思いに堪えて会社にしがみつこうなどと浅ましいことを考えなさんなと言いたい。やや脱線するが、「追い出し部屋」の状況(これは多くの大企業に見られる真実)を見るたび、卑劣な会社に対して憤りを覚えるが、一方では、労働者もそんなところにしがみつかないで、ションベンかけて出て行ってやりなよ、とも思っている。

あんまり期待できない産業競争力会議をみてぐだぐだ文句言ってるより、労働者自身がもっともっと強くなることを考えるほうが有益で幸せへの近道かもしれない。少し言いすぎかとも思うが、私は、日本の労働者は甘いと思っている。

エリート労働者は自分の能力に自信を持っているから機会あらば出て行こうとする一方、努力もせずに文句ばっかり言っている労働者ほど企業にしがみつく。経営者の気持ちもわからないでもない。
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プロフィール

畠山 奉勝

Author:畠山 奉勝
1944年生まれ。電機メーカー定年後、大阪労働局監督課で指導員を担当。全国に先駆けて大学生・高校生などを対象にした若者労働法教育のレールを敷く。

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