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中小企業における労働者代表機関について。

現行の労働基準法においても、労働者代表との協定が義務付けられた規定がいくつかあります。その際の労働者側の協定当事者として、「労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合」、「労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者」と規定されています。

労働組合がない場合の過半数代表者の選び方は、労働基準法施行規則第6条の2で規定されています。そこで大企業においては、概ね規則に沿った選出が行われていると思われますが、問題は中小企業です。経営者が一番信頼している従業員を指名したり、互助組織の長がそのまま協定当事者になったりと、安易に任命されているケースが少なくありません。人事課長を労働者代表にしている事例もあるようです。

本来は、労使協定を締結する労働者代表の意義をきちんと全従業員に説明した上で、選挙などの方法で選出されるべきものなのですが、面倒くさいなどの理由で、使用者の言いなりに署名捺印してくれる従業員が選ばれているわけです。したがって協定に際しても、内容をきちんと説明して労働者代表の理解を得るというプロセスは省かれて、とにかく署名だけさせて協定成立というのが多くの中小企業の実態と思われます。

昨今の労働法の世界では、労働関係のさまざまな場面で労働者代表機関が使用者と協議することの重要性が提起されています。私もまったく同感であり、例えば、整理解雇については基本的には企業内の労使協議で対応すべきであり、司法が介入する問題ではないという考えを持っています。企業内における労使自治を尊重すべき問題は今後たくさんでてくるものと思われます。

このような労使協議尊重という将来方向には大賛成の気持ちを持ちながら、一方では、先述のようにとくに中小企業においては、労使協議の実質が確保されるのだろうかという不安をもたざるをえません。労働者代表機関の設置を法制化しても、中小企業の企業内に全うな過半数代表者が存在しうるのかという疑問です。

今の時代、大企業のれっきとした労働組合でさえ経営の言いなりで、「追い出し部屋」についても、「違法な事実は確認できなかった」などと平気でのたまうのです。ましてや、従業員が10人や20人の中小企業で、経営者の意に添わない言動を表現できるのか、非常に懸念されます。

言葉で「労働者代表機関・・・」を言うのは簡単で、多くの賛同を得る考え方だと思うのですが、法制化する際などにあたってその実質をどのように確保するのか、非常に悩ましい問題と思われます。
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プロフィール

畠山 奉勝

Author:畠山 奉勝
1944年生まれ。電機メーカー定年後、大阪労働局監督課で指導員を担当。全国に先駆けて大学生・高校生などを対象にした若者労働法教育のレールを敷く。

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