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冷凍食品会社にみる「従業員に対する経営者の良心」の欠如。

冷凍食品に農薬が混入していた事件の容疑者が逮捕された。容疑者の経歴や日常行動などを報道で知り、当初から私が描いていた犯人像とほぼ重なっているなと感じました。

私が描いていた犯人像は、いわゆる非正規労働者で、契約のあり方や賃金などの処遇に不満を抱いている人ではないかというものでした。報道によると、容疑者は半年という短期雇用契約を更新し続け8年半も雇用されていたということです。『有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準』第3条では、「使用者は期間の定めのある労働契約(当該契約を1回以上更新し、かつ、雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係るものに限る。)を更新しようとする場合においては、当該契約の実態及び当該労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない。」と規定されています。

容疑者は8年半にもわたり半年契約を更新しながら雇用されていたわけですから、当該業務はその食品会社において、一時的・臨時的・応援的な仕事ではなく、常時存在する定常的業務であったといえます。そうであるなら、半年契約を8年間にもわたって更新し続けるのではなく、いわゆる正社員的な身分として無期契約にしてまっとうな処遇をすべきだったのではないでしょうか。容疑者が「正社員でないから賃金が安くてやってられない」とこぼしていたようですが、その気持ちはよくわかります。当該企業が違法な雇用契約をしていたとは言えませんが、労働者から信頼される「良心的企業」だとは言えないと私は思います。

私のいう「良心的企業」であるかどうか、これは違法かどうかという問題とは別問題ですが、労働者に安心と信頼を与え良い製品を作り企業の社会的信頼を高めるかどうかという観点から非常に重要な視点です。違法ではないということが、即、問題がないというわけではないのです。

今回の事件で、容疑者のとった(恨みを晴らす)行動は容認することができるものではありませんが、容疑者が当該企業を恨む気持ちは理解的できないわけではありません。当該企業はもっと「経営者の良心」を根底に、誠意をもって労働者に対応すべきだったのです。

私が労働局で勤務していたとき、仲のいい監督官からこういう話を聞きました。大阪市にある惣菜・弁当を調製する某企業は、外国人労働者を劣悪な環境で安い賃金でこき使い、労基署から是正指導を何度も受けたそうです。その監督官曰く、「近畿管内の監督官はその会社の弁当は絶対に買わないですよ。そんな会社の労働者は会社のために美味しいものを作ろうなんて考えませんから。」と。私はそれ以来、コンビニでおにぎりを買い求めるときやスーパーで弁当を買うときは、必ず製造者を確認して、その会社のものは絶対に買わないようにしています。家族にも言っています。

従業員を大切にして誠実な労使関係を築くことは、手間とコストがかかるかもしれませんが、従業員は会社の誠意には必ず応えてくれるものです。上に紹介したような会社の場合は、結局、社会から手痛いシッペ返しを食らうのです。カネを儲ける前に、従業員のことを大切に考えてあげると、利益は後からついてくるのです。私は松下幸之助氏からそれを教わりました。
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プロフィール

畠山 奉勝

Author:畠山 奉勝
1944年生まれ。電機メーカー定年後、大阪労働局監督課で指導員を担当。全国に先駆けて大学生・高校生などを対象にした若者労働法教育のレールを敷く。

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